フェンリル母さんとあったかご飯 世界観 その3
今回は、WEB版、書籍版両方で出てくる、物語で重要なキーワード。
〝悪魔憑き〟についてです。
ルードたちが住むこの大陸や、海を越えた大陸から沢山から、沢山の交易商人が拠点となるシーウェールズに訪れます。
シーウェールズは交易の中心であると同時に、様々な種族が温泉と海の幸、山の幸を楽しみに旅行目的で訪れる国であったりもします。
交易品とともに、数多くの文化も流れてくるのですね。
この世界には、〝悪魔憑き〟と言われて恐れられたり、ときには尊敬されたりする人たちがいました。
共に言えるのは、人ならざる者に近しいと思われるくらいに、識者として物事を広めたり、卓越した腕力や魔力で偉業を成し遂げたり、国を興して支配するものが過去にいたとされます。
この言葉は、人種である人間の間に、千年以上前から伝えられています。
この世界には、魔力というものが存在します。
地域により、大気や水、地面などに含まれるもので、人の生命力の一部ともされています。
それは身体の調子が良くなるものもあれば、淀んだ瘴気のように、悪影響を及ぼすものもあると言われています。
その証拠にこの世界には、魔獣というものが生まれることがあるのです。
元になったと思われる、草食獣や肉食獣の生態から逸脱するほどの、普通ではない大きさ、力の強さ、性質を持って成長してしまったもの。
その地に生息する動植物を食い荒らし、時として人まで襲うことがあったといいます。
悪魔という言葉は、この世界に悪魔が存在するということを意味している訳ではなく、悪影響を及ぼす魔力や、魔物、魔獣のことを総称して悪魔と呼ぶことがあった。
人々は悪魔が憑いているのではないか? と。
そうして〝悪魔憑き〟と呼ばれるようになった言われています。
WEB版でも語られていますが、ルードのような転生者は、昔から色々やらかしています。
自分の欲求のままに、この世界にはない文化を広める人もいれば、人から隠れるように生活し、研究などに没頭する人もいたようです。
この世界には存在しなかったはずの、新しいものを残していったという話が沢山ありました。